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また、他のウォーターフロント・プロジェクトと違う点といたしましては、マレーシア・コーポレーションというコンセプトを使いまして、この事業を行ったということであります。つまり民間部門、政府部門が手を組んで民営化を進めまして、事業を推進させたというものであります。
1リンゲット、すなわち50セントぐらいの価格で、この土地使用の特権を政府のほうから得て、この契約を締結し、この事業を進めたわけであります。また、我々が開発した地区を販売することによりまして、あるいはリースで貸与することによりまして、収入を得ることができたということであります。ですから、ジョホール州政府とパートナーシップを結びまして、この特権契約、土地使用権に係る契約を結び、この事業を進めていったわけであります。
ダーリング・ハーバーや日本におけるウォーターフロントのプロジェクトと違う点としては、こちらの面積は250万m2でありますが、完全にコンクリートでサポートされた人工地盤を使ったものであります。つまり埋立地は全く使っていないというものです。多くの皆様方のウォーターフロントの開発は、あるいは河川におけるウォーターフロントの開発は、埋立地を使っているものだと考えます。このプロジェクトのキャッシュフローが非常に大きな要素として当初から考慮されました。
それでは、このプロジェクトをどのように構成したらよいのか、どういう段階で実施したらよいのかということは非常に重要な点でありました。我々は民間部門でありますので、政府ほど十分な予算を持っておりません。オーストラリアの政府でしたら、ダーリングハーバーに対しまして、あれだけの資金を投ずることもできたわけでありますが、我々は民間部門でありますので、それほど大きな資金も持っておりません。したがいまして、あまりにも大きな負担になってしまいますと、これを追求することができないということになりますので、それは非常に注意を払い、プロジェクトを進めていったわけであります。
つまり、資金調達が非常に難しい状態でこのプロジェクトを開始することになりますと、この地区を販売する段階でも非常に難しい困難に直面することになるからです。そして、この開発を進めていく中で関連のインフラ整備を行ってまいりました。それによってキャッシュフローの改善を見ていったわけであります。
○JBウォーターフロント・シティー。このJBというのは、ジョホールバルの略ですが、東南アジアにいらしたことのない方、またマレーシアについてご存じのない方に申し上げますが、これから先、何枚かスライドをお見せすることによって、ジョホールバルがどこにあるのかをお話ししたいと思います。
ジョホールバルは、マレーシア半島の南端に位置しています。マレーシアの首都のクアラルンプールから約350?ほど離れております。バンコクからは1,443?離れております。また、北京からは4,000km。ソウルがこちらです。そして、台北からは3,000?、東

 

 

 

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